ペアは得点、端数は減点、記憶力が頼りの競りカードゲーム『ノアの方舟』
今回紹介するのはカードゲーム『ノアの方舟』。記憶力を頼りに動物カードのペアを作っていく作品で、2人から5人で遊べます。
プレイヤーは、場に公開される動物カードを競り落としてペアを作っていきます。山札がなくなった時点でペアになった動物カードだけが得点となり、それを2周繰り返してもっとも得点を稼いだプレイヤーの勝利です。
ゲームに使用するのは動物カードと2種類のチップ。動物カードは10種類4枚ずつあり、それぞれ1から4の数字が書かれています。
まず、各プレイヤーに規定の数の紫チップと緑チップを配り、さらに動物カードをランダムに1人1枚ずつ裏向きに配ったあと、最後に動物カードを人数分だけ表向きに並べたら準備完了です。
プレイヤーに配られた動物カードは、自分だけ内容を確認してから自分の前に裏向きにして置きます。以降は内容を確認できません。
プレイヤーは手番がきたら、場の動物カードを落札するために、紫チップで入札する額を宣言します。入札額は0でもかまいませんし、他のプレイヤーが宣言した額と同じでもかまいません。ただし1ラウンドにつき1回しか入札できませんので、入札額を変えることはできません。
各プレイヤーが1回ずつ入札を終えたら、もっとも大きな額で入札したプレイヤーから順番に、場の好きな動物カードを1枚ずつ取っていきます。入札額が同額だった場合は、そのラウンドのスタートプレイヤーに近いプレイヤーからカードを優先的に取ります。
取ったカードは、自分の前に裏向きに置いたカードに重ねていき、このカードも以降は内容を確認できません。つまり、自分が何のカードを競り落としたかはきっちり記憶しておかなければならないのです。
そして、スタートプレイヤーが左側に移り、再びカードがめくられ競りが始まります。これを繰り返して最後のカードが競り落とされたら得点計算になります。自分の前に裏向きに積んだカードの内容を確認して、同じ動物のペアを作れたらそれぞれのカードに書かれた数字が得点となります。一方、端数が出てしまった場合は、数字のぶんだけマイナスとなってしまいます。また、手持ちに残った紫チップが、2個につき1得点となります。
ポイントは、緑チップの使い方です。競りで動物カードを競り落としたあと、場からカードを取る際に緑チップを使用でき、使用すると場から2枚カードを取るか、1枚もカードを取らないかのどちらかを選択できます。
たとえば競りの場に同じ動物のカードのペアが出た場合は、その2枚を取れば確実に得点になるわけです。一方、場に自分が集めていない動物ばかりでかつ数字の大きなカードしか残っていなかった場合は、パスをすることでマイナス得点を防ぐことができます。
また、カードを2枚取る理由は、単にその得点を確実に得るためだけではありません。同じ動物のカードを4枚すべて集めますとボーナスで3得点が入るのです。ゲーム開始時に配られた動物なら狙いやすいのでチャレンジする価値はあります。
本ゲームで重要になるのは、やはり記憶力です。自分の競り落としたカードを覚えておかないと効率よくペアが作れません。さらに、対戦相手が競り落としたカードを把握していれば、そのプレイヤーが集めていないカードを押しつけることもできるかもしれません。
といっても、記憶力がないとまったく勝負にならないのかといいますと、そうでもありません。基本的に参加者はペアでカードを集めていきますので、曖昧な記憶でミスを連発したかなと思っても、フタを開けてみれば結構ペアになっていることが多いです。
最終的にはきちんと記憶していたプレイヤーが勝ちますが、カードを覚えられないプレイヤーでも、競りをベタ下りしまくれば、自然と皆が集めていないあまりのカードが手元でペアになりますので、大差が開くことがない作りになっています。
といってもベタ下りしてばかりではまったく面白くありませんので、カードの裏側に描かれた全種類の動物のイラストをヒントにしながら、"あのカードは確か持っているはずなんだけどどうだったっけ......"とおぼろげな記憶を頼りに怪しげな競りを繰り返す手探り感を味わってください。
●URL
http://www.mobius-games.co.jp/Amigo/Arche_Noah.html
(橋本 崇史)