記憶力と推理力と運で気球を飛び立たせるカードゲーム『気球で大空へ』
今回紹介するのはカードゲーム『気球で大空へ』。記憶力や運を頼りに気球の上下を繋げていく作品で、2人から4人で遊べます。
プレイヤーは、山札からめくったカードを組み合わせて、気球を完成させていきます。ゴールカードが3枚めくられたらゲームは終了し、その時点で気球に乗った冒険者をもっとも多く大空へ飛び立たせたプレイヤーの勝利です。
山札に含まれるのは、カゴカード・気球カード・ゴールカードの3種類。プレイヤーは手番がきたら、山札からカードを1枚引いて自分だけ内容を確認します。
引いたカードがカゴカードだった場合は、自分の場に表向きにしておきます。これは気球の下半分となります。一方、気球カードだった場合は、自分の場に置いてあるカゴカードの色を確認します。今引いた気球カードの色と、自分の場に置いてあるカゴカードの色が同じだったら、気球カードを自分のカゴに繋げるように置きます。
こうしてカゴに見合う分だけの気球カードを繋げることができたら、その気球は完成です。ゲーム終了時に、完成した気球に乗っている冒険者の数だけ得点となります。
ポイントは、山札から引いてきた気球カードが、自分の場に置いてあるカゴと色が合わずに繋がらなかったときです。その場合は、引いたカードを裏向きにしたまま山札の周りの好きなところに置きます。プレイヤーは手番がきたら、山札からカードを引く代わりにこれらの伏せてあるカードを引くこともできるのです。
ですので、その時点では使用できないカードであっても、自分がどこに伏せて置いたかをきちんと記憶しておくことができれば、あとで再利用できるので有利になります。
また、カゴカードおよび気球カードは赤・青緑・黒の三色ですので、ほかのプレイヤーがカードを伏せて置いた場合、そのプレイヤーの場を見れば何となくどんなカードを伏せたのかが予想できるというわけです。
ということは、自分の場と気球の色がバッティングしていないプレイヤーが伏せたカードをどんどん取ればいいのか、といいますと、半分正解で半分ハズレです。まず、各プレイヤーの場に置ける未完成の気球は、1色につき1個までという制限があるので、2枚目を引いてしまったカゴカードを伏せた可能性があります。
さらに、ゴールカードを伏せた可能性もあります。山札にはゴールカードが5枚含まれており、それを引いたプレイヤーは表向きにして場に置くか、裏向きにして山札の周りに置くかのどちらかを行うことができます。場に合計3枚のゴールカードが表向きになったらその瞬間にゲームは終了しますので、完成した気球の数で負けているプレイヤーは、ゴールカードを引いても裏向きで置く可能性が高いわけです。
ですので、3人で遊んでいる際に、2位が伏せたカードを3位のプレイヤーがめくったところ、ゴールカードだったので静かに元に戻した、なんてことになるのです。
山札からのみカードを引くのでしたら単なる運頼みのゲームとなってしまいますが、プレイヤーが置けないカードや置きたくないカードを場に伏せて置ける、という要素が加わることで、記憶力と推理力が重要になってくるわけです。
といいましても、カードは大まかに分けますとカゴと気球の2種類ですので、運を頼りにえいやとカードを引いていくだけでも、結構な確率で気球が完成してくれるので、自分の伏せたカードの内容をすぐ忘れてしまうような筆者でも安心です。もちろんそれだけでは勝てませんが。
ただしゴールカードを伏せた場合はそこだけは覚えておくようにしましょう。そして少しでもリードしたら、すぐ終わらせられるようにするのです。そういうときに便利なのが、ゲーム開始時にプレイヤーが1つずつもっている歯車です。
歯車はゲーム中に一度だけ使用でき、使用すると自分の手番を再び行うことができます。つまり、連続して2枚のカードをめくることができるのです。ですので、伏せてあるカードの中にあるゴールカードの在処を把握できていれば、自分が1位になったと思ったらすぐにゲームを終わらせることができます。
本ゲームは、適度な推理力と記憶力を必要としつつ、ある程度は運でカバーできる作品です。といっても運だけでは勝ちきれないところが侮れません。また、イラストの雰囲気が絵本風で、気球での冒険というテーマに合っているのも雰囲気を盛り上げます。
なお、標準のルールで物足りない場合は、同色のカゴをいくつでも置いていい代わりに未完成の気球はマイナス得点になるという、応用ルールで遊んでみてください。
●URL
ゲーム紹介:気球で大空へ / Aufbruch in Abenteuer 高円寺0分すごろくや(日本語版発売元のすごろくやのページ)
http://sgrk.blog53.fc2.com/?no=2582
(橋本 崇史)