ロバのカードがカギになる3人向けカードゲーム『ゴールド』

　今回紹介するのはカードゲーム『ゴールド』。手札にあたるカードを公開した形で遊ぶ作品で、2人から3人で遊べます。

　プレイヤーは、場に並んだカードを獲得したり交換したりしながら3枚のセットを作っていき、もっとも多くの得点を稼ぐことを目指します。

　使用するカードは、金カードとロバカード。それぞれ緑・青・紫・赤・オレンジ・ピンクの6色ずつあり、金カードには3から8の数字が、ロバカードにはマイナス2の数字が書かれています。

　ゲーム開始時に、各プレイヤーはロバカードを1枚ずつ自分の前に表側にして置きます。カードを置いた場所は自分の場となり、この場が手札代わりになる仕組みです。その後、残りのカードをすべて混ぜたあとランダムに2枚のカードをゲームから取り除き、カードを5枚表向きに全体の場へ並べてから残ったカードを山札とすれば準備完了です。

　プレイヤーが手番でできることは大きく分けて2種類あります。全体の場からカードを取って自分の場に加えるか、全体の場のカードと自分の場のカードを交換するかです。

　カードを取る場合は、全体の場にあるカードの中から、もっとも数字の低いカードを1枚選んで自分の場に置くことができます。マイナス2のロバカードがあった場合は、それを取らねばなりません。

ロバカードが複数枚あった場合は、自分の選んだ色のカードを取ることができる

　カードを交換する場合は、2通り方法があります。1つは、自分の場にあるロバカードを交換に出す方法です。その場合は、全体の場にある金カードのうち、好きなものと交換可能です。もう1つは、自分の場にある金カードを交換に出す方法です。その場合は、全体の場にある金カードのうち、交換に出したカードよりも低い数字のカードと交換できます。

このような場で5の金カードを交換に出す場合、4の金カードのみと交換できる。なおカードの交換で、全体の場からロバカードを手に入れることはできない

　カードを取ったり交換したら手番は終了で、全体の場からカードがなくなったら、山札から新たに5枚のカードをめくります。これを繰り返して山札と全体の場からカードがすべてなくなったらゲーム終了です。

　ポイントは得点の稼ぎかたです。カードを全体の場から獲得もしくは交換して自分の場に置いた際に同じ色のカードが3枚そろったら、その3枚はすぐにセットとなり自分の場から外し、カードの数字がすべて得点になります。もっといいカードが来るまでセットにしないでおくことはできません。セットとなるカードにはロバカードも含まれますので、持っていたロバカードの色がセットになってしまうと、得点が減ってしまうわけです。

　ですので、全体の場からカードを取ったり交換したりする際は、なるべく大きな数字を選ぶようにするだけでなく、同色3枚セットをつくるタイミングを考えてカードの色に注目する必要があります。

　また、全体の場からカードが減った場合はその都度1枚ずつ補充するのではなく、場からカードがなくなったらまとめて5枚補充するというのもポイントです。全体の場のカードが減っていくとどんどん選択肢がせばまっていきますので、公開されている対戦相手の場のカードを注意深く観察すれば、狙った相手に得点の低いセットを作らせることもできるのです。

　さらに、セットを作るとボーナスがあることも重要です。セットを作ったプレイヤーは対戦相手の場から、今セットにした色と自分の場にある色以外のカードを1枚獲得できます。

緑のセットを作ったプレイヤーの場にあるカードが紫・オレンジ・赤だった場合は、対戦相手の場に青かピンクのカードがあれば獲得できる

　したがいまして、全体の場から得点の高いカードを取ったけれども、早めにセットにしないと対戦相手に奪われそうなので、やむを得ず低い得点でもいいから同色カードを手に入れてセットを目指す、ということもあります。

　加えてもう1つ、セットのカード以外の得点方法があるのもポイントです。ゲームが終了した時点で、各プレイヤーは自分の場にある各色のカードの数字を合計して、色別にもっとも合計数が大きいプレイヤーを選びます。選ばれたプレイヤーは、自分のもっているその色のカードの中でもっとも大きな数字を得点に加えられる仕組みです。

この場合、左のプレイヤーから順に合計が4/5/3なので、5のカードを獲得していたプレイヤーが得点に追加できる

　この得点方法があるおかげで、カードを集めていく序盤、セットに変えていく中盤、セットをそろえつつ単独で大きなカードの確保を狙う終盤といったように、ゲームの進展具合で流れが変わっていくところもおもしろさを増しています。

　本ゲームは、全体の場を介した間接的なカードの押しつけあいです。ですので、対戦相手にロバカードを押しつけて、それを含めたセットを作らせるのは目的の1つになります。ただし、ロバカード自体は全体の場の得点の高いカードと交換できますので、中途半端にロバカードを押しつけると、全体の場のカードが一新された際にいいカードと交換されてしまう危険があります。

　かといって逆に交換するためロバカードを集めていると、対戦相手に狙われて低い点のセットを作らされてしまうこともあるという、ジレンマが楽しい作品です。

　各自の手札が公開されていることもあり手番ではある程度悩みますが、選択肢はそんなに多くありませんので長考が多発するほどではありません。ゲーム時間は20分と短めですので、ある程度手応えのあるゲームをさらっと遊びたい際などにオススメです。