2位狙いが熱くなる競りカードゲーム『ザ・バクダン』
今回紹介するのはカードゲーム『ザ・バクダン』。1位よりも2位になるよう競りで値を付けていく作品で、3人から6人で遊べます。
使用するのは、黒と赤のカード。それぞれ3から25の数字が書かれており、各プレイヤーは毎ラウンド2枚めくられるこれらのカードを競り落としていきます。山札のカードがなくなったらゲーム終了で、その時点で競り落としたカードの数字の合計から、競り値の合計を引いた数字のもっとも大きいプレイヤーの勝利です。
ラウンドの最初にカードがめくられた後、各プレイヤーは手元のメモ用紙に、入札額をこっそり記入します。入札額の値は1から40の整数であればいくらでもかまいません。その後、いっせいに入札額を公開し、もっとも高い額で入札したプレイヤーが、2枚めくられているカードのうちの好きなほうを獲得します。ただし同時に、入札額のぶんだけマイナス得点になります。
次に、2位の額で入札したプレイヤーが残りのカードを獲得します。その場合は、1位の場合とは異なり入札額がマイナス得点になりません。つまりタダでカードを入手できるわけです。3位以下の人はなにも入手できません。その後次のラウンドになり、再びカードが2枚めくられます。
これだけでも入札額のさぐり合いが熱いゲームなのですが、加えて特殊カード"バクハツカード"がさらに場を盛り上げます。このカードは競り落とすとすぐに使用でき、誰かが獲得した黒か赤のカードのうち、一番上にあるカードを捨札にできるのです。
ポイントは、色別で獲得したカードの枚数が最多の場合は、その色の得点が倍になることです。つまりカードを競り落とす場合は、得点の高いカードを狙うのはもちろんのこと、得点の低いカードであっても総枚数を増やすためには重要になってくるのです。
本ゲームのおもしろいところは、ゲームが進んでいくにつれて皆の値の付けかたが絶妙になっていくところです。入札額が1から40の値であればどれでもいいので、最初は値付けに迷うかもしれませんが、ゲームが進んでいくにつれて場札の数字を基準にした駆け引きが始まっていきます。その結果、入札額が1の差でずらっと並んだり、1位や2位の入札額が同額でバッティングしたりして、大いに盛り上がるわけです。
なお、1位がバッティングした場合は、バッティングした人たちだけで入札をやり直し、勝った人だけがカードを獲得します。また2位がバッティングした場合は、2枚目のカードは捨札となります。本ゲームは、2位になるとカードをタダで獲得できますので狙い目なのですが、バッティングしてしまうとカードを手に入れることさえできませんので、天国から地獄です。
本ゲームは、値を付けすぎると得点が減り、値を付けないと得点が稼げず、そしてある程度適正な値付けであってもバッティングすると水の泡という、競りとバッティングの要素がうまく組み合わさった作品です。場の流れを読みつつ値を付け、うまく2位に滑り込んだときのしてやったり感や、バッティングしてしまったときに"ですよねー、これくらいの値になりますよねー"と妙な共感を覚えてしまうこともふくめて盛り上がりますので、人を選ばず楽しめるでしょう。
●URL
ザ・バクダン (Die Bombe) - New Games Order, LLC.(日本語版発売元ニューゲームズオーダーのページ)
http://www.newgamesorder.jp/a/newgamesorder.jp/www/games/diebombe
(橋本 崇史)