船で資金を稼ぎ、雇った人物で探検に出かけるカードゲーム『ポートロイヤル』
今回紹介するのはカードゲーム『ポートロイヤル』。失敗するリスクを加味しつつ、いいカードが出るまで粘るか、ある程度のところで妥協するかを選択していく作品で、2人から5人で遊べます。
プレイヤーは船を使って稼いだ資金で商人や船員などを雇い、王の探検命令をこなすなどして影響力ポイントを稼いでいきます。ゲーム終了時にもっとも影響力ポイントを稼いだプレイヤーの勝利です。
ゲームで使用するのは120枚のカード。これをよく混ぜた上で各自に3枚ずつ裏向きに配り、残りを山札にしたら準備完了です。
プレイヤーの手番は、前半の"探検"フェイズと後半の"交易と雇用"フェイズの2つに分けられます。"探検"フェイズでめくったカードを、"交易と雇用"フェイズで手に入れるという流れです。
"探検"フェイズでは、プレイヤーは山札のカードを1枚ずつ表向きにめくっていきます。めくられたカードを見た上で、プレイヤーは追加でもう1枚カードをめくるかどうかを判断します。プレイヤーがもうめくらなくていいと考えるか、ある条件になって"探検"フェイズが強制終了するまで、カードをめくりつづけることができます。カードをめくるのを止めたら、後半の"交易と雇用"フェイズに移ります。
"探検"フェイズでめくられるカードは、主に船カードと人物カードです。船カードの上部には何枚かのコインが、下部には戦闘力が描かれています。後半の"交易と雇用"フェイズで船カードを確保すると、カードに描かれているだけのコインを得られます。
一方、人物カードには、上部に人物が備えている能力が、下部には人物を雇うために必要なコインの枚数が描かれています。手持ちに十分なコインがあれば、後半の"交易と雇用"フェイズで雇うことができます。
それならばカードをめくれるだけめくって、船カードをたくさん取り、人物を大勢雇えばいいのではと思われるかもしれませんが、そう簡単にはいきません。船カードは5色用意されているのですが、1回の"探検"フェイズで同じ色の船カードが2枚並んでしまったら、その"探検"フェイズでめくられたカードはすべて捨て札となり、後半の"交易と雇用"フェイズがスキップされてしまうのです。つまり欲張りすぎると水の泡になるわけです。
だからといって、慎重にすれば解決かといいますとそうでもありません。通常、後半の"交易と雇用"フェイズで得られるカードは1枚ですが、"探検"フェイズで4色の船カードを並べられれば2枚、5色でしたら3枚のカードを得ることができるのです。
そこで重要になってくるのが人物カードです。人物カードには戦闘力を備えたものがあります。"探検"フェイズで船カードをめくった際に、自分が雇っている人物の戦闘力の合計がその船の戦闘力以上であったならば、その船を破壊することができます。つまり、同色の船カードがめくられても、破壊してしまえば"探検"フェイズを続けられるのです。
このようにして満足できるだけのカードをめくったら、"交易と雇用"フェイズに移ります。ポイントは、"交易と雇用"フェイズでは手番プレイヤーだけでなくほかのプレイヤーもカードを得られるということです。
具体的にはまず、手番プレイヤーが任意のカードを1枚もしくは数枚確保してから、残りのプレイヤーが1枚ずつカードを確保します。ですので手番プレイヤーは"探検"フェイズでたくさんカードをめくりますと、自分が欲しいカードを入手しやすくなる反面、ほかのプレイヤーに良いカードがわたってしまう可能性も高めてしまうというジレンマが生まれるわけです。
なお、手番以外のプレイヤーがカードを確保する場合は、手番プレイヤーにコインを支払う必要があります。
このようにして人物カードを集めていき、人物の能力を使用してゲームを有利に進めながら誰かが影響力ポイントを12集めたら、その周回を最後まで行い、もっとも多くの影響力ポイントを獲得したプレイヤーの勝利となります。
本ゲームは、伸るか反るかのチキンレースを、徐々に人物カードを集めていくことで少しずつ有利にしていくところが楽しいです。人物カードの能力はすべて常時発動しますので、ゲームは進むに連れて派手になっていきます。たとえば後半は前半と比べて"探検"フェイズで山のようにカードをめくるようになったりするのです。
そのぶん、山札を何度か切り直さなければならないのが少し手間ですが、それを除くとゲームはサクサク進みます。また、相手の手番であっても、めくられたカードを入手するチャンスがありますので、待ち時間をあまり感じないのもうれしいところです。
なお、手元にコインを溜め込み過ぎますと、増税カードがめくられた際にコインを多く失いますのでご注意ください。
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●URL
男の勝負に引き分けなどあってたまるか!『ポートロイヤル』 | ホビージャパンゲームブログ(日本語ルール翻訳元ホビージャパンのページ)
http://hobbyjapan.co.jp/game/?p=8749
(橋本 崇史)