6種の職人の能力を生かしてギルドを完成させるカードゲーム『ギルドマスター』
今回紹介するのはカードゲーム『ギルドマスター 完全日本語版』。職人カードを集めてギルドを作っていく作品で、2人から4人で遊べます。
プレイヤーは王となり、自分の国を発展させるために職人カードを集めてギルドを完成させていきます。完成したギルドと引き替えに勝利点を獲得し、早く規定の勝利点を稼いだプレイヤーの勝利です。
ゲームに使用するのは、職人カードと任務カードと勝利点トークン。手札としてプレイする職人カードは、暗殺者、農家、歴史家、商人、踊り子、機織りの6種類が5色用意されています。
プレイヤーが手番でできることは3種類のアクション。1つ目は、手札にある職人カードを1枚自分の場に出して能力を使用すること。2つ目は、手札から任意の枚数だけカードを捨てて、手札が6枚になるように補充すること。3つ目は、完成したギルドと任務カードを交換すること。プレイヤーは1回の手番で、この3種類のアクションの中から2回実行することができます。
手札から出された職人カードは、能力を使用した後は同じ職業同士でまとめて置き、ギルドとして扱います。同じ職業カードが5枚集まるとギルドは完成し、完成したギルド1つか2つと交換で任務カードを入手できます。任務カードには2点から9点の勝利点が書かれており、この勝利点をもっとも早く20点以上稼ぐのが目的です。
職業カードを場に出す際は、2つ重要なルールがあります。まず自分の場に、同じ職業かつ同じ色のカードを2枚以上置いてはいけません。さらに、1回の手番のアクションで同じ職業のカードを2回出してはいけません。
ポイントは、職業カードを出す際に能力を使用できるのですが、その能力は職業によって異なるだけでなく、自分の場のギルドの大きさによっても変わってくることです。
たとえば歴史家の場合、共通のカードの捨て札置き場から、自分の場にカードを持ってくるという能力があります。歴史家を出す際、自分の場に今出したカード以外の歴史家がなかった場合は(つまり1枚目の歴史家を出した場合は)、捨て札置き場の一番上にあるカードを1枚だけ、自分の場に持ってくることができるのみです。
ですが、自分の場にすでに歴史家が2枚ある場合は(つまり3枚目の歴史家を出した場合は)、捨て札置き場のカードをすべて見た上で好きなものを1枚得られますし、歴史家が4枚ある場合は好きなものを2枚選ぶことができるのです。
プレイヤーはこれらの能力を上手く組み合わせて、自分のギルドを育てたり、他人のギルドの人員を減らしたり、自分の場にあるいらないカードと交換に対戦相手の場から重要なカードを奪ったりしながら、ギルドを完成させていくのです。
たとえば、暗殺者で対戦相手の職業カードを捨て札にしてから歴史家で自分の場に回収するとか、商人で対戦相手と職業カードを2枚交換してから機織りで手札から職業カードをまとめて出して一気にギルドを完成させる、などなど。
といっても、各自の場のカードは公開されていますので、ある程度ギルドが大きくなりますと注目されて妨害されやすくなります。それを如何にくぐり抜けてギルドを完成させていくかに頭を使うわけです。
また、完成したギルドと交換で手に入れる任務カードが、単に勝利点を稼ぐためだけにあるわけではないところもポイントです。任務カードによっては、手に入れた際に能力を発揮するものもあるのです。
得られる勝利点の低いカードの能力は強く、勝利点の高いカードの能力はそうではない傾向がありますので、発揮される能力を組み込んだ上での計画をたてるか、勝利点だけを狙うかは思案のしどころになります。
このように本ゲームは、色々なカードの組み合わせを試行錯誤できる楽しみがあるのですが、カード上に記載された能力の説明がアイコンしかなく、最初はわかりにくいところが少しハードルを上げています。詳しい能力の効果は、ルールブック末尾に一覧表がありますので、初めて遊ぶ場合はこのページを人数分コピーしておきますと遊びやすいかもしれません。
いったんアイコンの意味を把握してしまえばゲーム自体は中程度の重さですので、少し手応えのある作品にチャレンジしたい場合などにオススメです。対戦相手の動向を伺いながら、カードの引きと組み合わせに頭を悩ましてみてください。
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●URL
ArclightGames(日本語版発売元のアークライトのページ)
http://www.arclight.co.jp/ag/agbg/agbg.php?code=LG-0070
(橋本 崇史)