使うカードは16枚、プレイ時間5分のカードゲーム『Love Letter』
今回紹介するのはカードゲーム『Love Letter』。総枚数16枚のカードを使って5分で遊べる作品で、2人から4人で遊べます。日本製の同人作品で、日本ボードゲーム大賞2012の投票部門で大賞を獲得したほか、海外版も発売され各賞にノミネートされるなど評価の高い作品です。
使用するのは8種類16枚のカード。最終的にゲームから脱落しなかった最後の一人になったプレイヤーか、終了時に残っているプレイヤーの中でもっとも大きな数字の書かれた手札の持ち主が勝利します。
ゲーム開始時に、16枚のカードをよく切って1枚をランダムに取り除いた後、各自に1枚ずつ配ります。プレイヤーが手番でできることは1つ。山札から1枚カードを引いてから、2枚になった手札のどちらかを使用するだけ。
カードには名称と能力と数字が書かれており、能力は手札を使う際に発揮される"効果"や、手札を捨てさせられた際に発揮するものなどがあります。数字はカードの強さを表していて、大きいほど強いカードとなります。また、強いカードほど総枚数も少なくなっています。
たとえば"兵士"カードの効果は、プレイヤーから誰か一人を選んでその手札を"兵士"以外の何であるかと予想し、的中すれば相手プレイヤーをゲームから脱落させます。
"騎士"カードの場合は、プレイヤーから誰か一人を選んでこっそり手札の強さを比べて、数字の小さいカードのプレイヤーが脱落します。
各プレイヤーが使用したカードは、自分の前に順番に表向きで並べますので、そこからほかのプレイヤーの手札を予想してカードを使っていくわけです。
"兵士"が5枚、"騎士"が2枚と、ほかのプレイヤーを脱落させることができるカードが山札15枚のうち最大7枚あることからもわかるように、どんどんプレイヤーが脱落していくゲームです。
ポイントは、数字の小さいカードの効果は使い勝手がいい反面、数字の大きな強いカードは使い勝手が悪いということです。
たとえば最強の数字8をもつ"姫"カードは、"姫"自身を捨て札にするとゲームから脱落しますし、7である"大臣"カードは、"大臣"を持っている際に手札の数字の合計が12以上になったら脱落するといった具合です。
したがって、自然と数字の小さいカードがどんどん使われる反面、大きなカードは手札に温存されていくので、ゲームが進むにつれて対戦相手の手札の推測がしやすくなるというわけです。
といってもカード運が大きく勝敗に影響してくるので、ガチガチの読み合いゲームというよりはむしろ、ざっくりとした推測を頼りに、えいやとカードを引いては使っていく内容になっています。
本ゲームは、カードを1枚ずつ使っていくだけというとてもシンプルな作りなので遊びやすく、かつ8種類16枚に絞りこまれたカードが毎回の手番でプレイヤーの頭を悩ませるという、手軽さと読み合いのバランスがとれた作品です。プレイ時間も5分程度と短時間で遊べますので、重いゲームを遊んだあとの箸休めのように遊ぶのもオススメです。
●URL
カナイ製作所(作者のWebサイト)
http://kanaifactory.web.fc2.com/
(橋本 崇史)