名人級の難易度を堪能できる大混乱のゲーム『おばけキャッチ名人技』
今回紹介するのはカードにしたがってコマを取り合うゲーム『おばけキャッチ 名人技』。以前紹介したゲーム『おばけキャッチ』の上級版にあたる作品で、2人から8人で遊べます。
基本的な遊び方は『おばけキャッチ』と同じで、毎回めくられるカードの指示に従い、場に何種類かあるコマのうちの1つをすばやくつかみ取っていきます。
コマの取り方は2通り。山札からめくられたカードに、コマと姿・色の両方が同じイラストが描かれていればそのコマをつかみます。もしくは、カードに描かれているイラストの中に、姿と色の両方がコマと一致するものが1つもなければ、そのカードに姿も色も描かれていないコマを掴みます。
もっとも早く正解のコマを掴めたらめくられているカードを獲得でき、山札がつきた時点でもっとも多くのカードを獲得したプレイヤーの勝利です。
ここまでは『おばけキャッチ』と同じですが、"名人技"ですのでこれだけでは終わりません。
まず第一に、使用されるコマの数が増えます。『おばけキャッチ』では5種類でしたが、本ゲームでは9種類です。さらにやっかいなのは、コマの色の種類は5種類しかないということです。
具体的には、白のコマはオバケが1つだけなのですが、残りの黒・緑・青・赤の4色は2つずつあります。
一方、どのコマを取るか判断するためのカードには、コマの絵は3つしか書かれていません。
カードを見てどのコマが正解なのかを考える際、『おばけキャッチ』では1色が1コマでしたので、描かれていないコマを探す場合も絞り込みやすかったのですが、本ゲームでは1色につき2コマありますので格段に難しくなりました。
さらに、描かれていないコマを探すのが難しくなった結果、意識がそれを探すことばかりに向いてしまい、姿・色の両方とも同じコマが描かれていても見逃しやすくなってしまったのです。
これだけでもかなり難易度が上がっているのですが、本ゲームではもう1つ正解の条件が追加されています。カードに、オバケと時計の両方が描かれている場合は、コマをつかんではいけないのです。そのかわりに、時計の指している時間を宣言する必要があります。
もちろん、時計とオバケ以外の何かが描かれたカードの時に、時間を宣言してしまうとお手つきになり、すでにカードを獲得していた場合は1枚捨てなければなりません。
恐ろしいのは、以上の3つの正解の条件は基本ルールでしかないということです。なんと、本ゲームにも追加ルールがあり、正解の条件がさらに3つ増えてしまうのです。
- 鏡に何かが写っている絵が描かれている場合は、写っているもののコマを掴む
- フクロウが描かれている場合は、正解のコマを掴むのではなく、コマの名前を宣言する
- フクロウと鏡が一緒に描かれている場合は、鏡に写っているものの色を宣言する
えー、想像するだけでアタマが混乱してしまいます......。
このように難易度がとてもあがったため、本ゲームは『おばけキャッチ』よりも露骨に頭の回転の良さが結果に反映するようで、筆者が遊んだ際は、一番ゲームのうまいプレイヤーが1人であらかたカードをかっさらっていくという結果になりました。
一方筆者はといいますと、ものの見事にアタマがフリーズしてしまい、ほとんどカードを取れませんでした。トホホ。特に、カードに正解そのものが描かれている場合は、まずコマを掴めません。どうしても、描かれていないコマを探してしまいまして。
というわけで、本ゲームは『おばけキャッチ』程度ではヌルい! と感じてしまう熟練プレイヤー向けの作品です。"名人技"の名に恥じない高難易度にチャレンジできますので、我こそはと頭の回転の良さに自信のあるプレイヤーは、是非挑戦してみてください。
●URL
おばけキャッチ名人技(日本語ルール翻訳元メビウス ゲームズのページ)
http://www.mobius-games.co.jp/Zoch/Geistesblitz_5vor12.html
(橋本 崇史)