小さい数が1枚を、大きい数が残りすべてを獲得するカードゲーム『ダビデとゴリアテ』
今回紹介するのはカードゲーム『ダビデとゴリアテ』。トリックテイキングと呼ばれるジャンルの作品で、3人から6人で遊べます。
トリックテイキングとはトランプゲームの『ブリッジ』や『ハーツ』、『ナポレオン』などで使用されているシステムのことで、各プレイヤーが手札からカードを1枚出していき、もっとも強いカードを出したプレイヤーがそのカードをすべて獲得します。その1周のことをトリックといい、強いカードを出してカードを獲得することをトリックをとる、などといいます。
本ゲームで使用するのは数字の書かれた5色のカード。遊ぶ人数によって使用するカードの数字は異なりますが、各色につき1から18までの数字が1枚ずつ用意されています。手番プレイヤーから順にカードを1枚出していき、皆が出し終えたところでその回のトリックの勝敗を決めます。
なお、2番目以降のプレイヤーは、手番プレイヤーが最初に出した色のカードを手札に持っていたら、かならずその色を出さなければなりません。ない場合は、どの色のカードでも出せます。パスはできません。
特徴的なのは、各トリックの勝敗の決め方です。一般的なトリックテイキングでは、もっとも強いカードを出したプレイヤーがそのトリックで出されたカードをすべて獲得するのは説明したとおりです。
ですが本ゲームではまず、もっとも小さい数字カードを出したプレイヤーが、そのトリックで出されたカードのうちもっとも大きな数字カードを獲得します。その後、もっとも大きな数字カードを出したプレイヤーが、残りのカードをすべて獲得するのです。獲得したカードは、色別に数字が見えるようにして自分の前に並べます。
これを繰り返して、プレイヤーが手札をすべて出したら1ゲーム終了で、得点計算になります。その際、獲得したカードを色別に枚数を数えて2枚以下だった場合、カードに書かれた数字の合計が得点です。一方、3枚以上獲得していた場合は、その色の得点は書かれた数字に関係なくカード枚数の合計になってしまいます。
そしてゲームを参加者数と同じ回数だけ行い、合計した得点のもっとも高いプレイヤーが勝利します。
ポイントは、各トリックで出されたカードの数字が同じだった場合、後から出されたカードのほうが強いということです。たとえば、あるトリックでもっとも小さい数"3"が2枚出された場合や、もっとも大きな数字"12"が3枚出された場合は、一番最後にカードを出したプレイヤーがカードを獲得します。
といっても、トリックの最初に出されたカードと同じ色のカードを持っていた場合は必ずその色を出さねばならず、同じ色のカードには同じ数字はありませんので、序盤は同じ数字が場にでることはあまりありません。
しかし、カードが配られた時点で手札にある各色の枚数にばらつきが生じますので、ゲームが進んでいくにつれて枚数の少なかった色のカードが尽きていきます。そうなりますと、トリックによっては同色カードを出すという縛りがなくなりますので、強いカードが同じ数字やより強い数字で上書きされる展開になるのです。
本ゲームの特徴は、得点の稼ぎ方が2通りあることです。小さい数字を上手く使って高得点のカードを少しだけ確保するもよし、大きい数字を使ってなるべく多くの枚数のカードをかき集めるもよし、です。といっても、前者で行こうと目論んだはずが予定どおりにいかず後者へ方針転換せざるを得なくなることもしばしばですが。
また、使用されたカードはすべて公開されていますので、それに基づいてカードを出していくことになります。たとえば、手札にある赤以外の"1"は出きっているのでこれを出せば確実にカードを獲得できるとか、あのプレイヤーは青の高得点のカードを2枚獲得済みなので、もう1枚取らせないとまずい、とか。
つまり自由度の増える、手札のカードの色を1色使いきってからが本番になります。なお、毎トリックごとに場に出ているカードを確認するのは面倒ですし時間もかかりますので、自分にとってキーとなるカードが使われたか使われていないかだけを頭に入れつつプレイするといいでしょう。
●URL
ダビデとゴリアテ (David & Goliath) - New Games Order, LLC.(日本語ルール翻訳元ニューゲームズオーダーのページ)
http://www.newgamesorder.jp/a/newgamesorder.jp/www/games/davidgoliath
2位狙いが熱くなる競りカードゲーム『ザ・バクダン』 - ゆるこいぶろぐ(同作者の作品)
http://yurukoi.impress.co.jp/2013/10/23-diebombe.html
(橋本 崇史)