残業タイルを他の人に押し付けて早く帰るゲーム『お先にしつれいしま〜す!!』

　今回紹介するのは、タイルを使ったゲーム『お先にしつれいしま〜す!!』。手持ちの残業タイルを押し付けあっていくシンプルですが結構悩む作品で、2人から4人で遊べます。

　ゲームに使用するタイルは、表側に6種類のキャラクターが、裏側に4種類の残業と表側に描かれていたキャラクターが描かれています。表側のキャラクターが、プレイヤーに仕事を押し付けてきたという設定です。

左側が表向きのタイル、右側が裏向きのタイル

　ゲームを始める際は、すべてのタイルを表側にして混ぜあわせてから、それぞれのプレイヤーは6種類のタイルを1枚ずつ受け取って、表側のまま前に並べます。この時点ではどのタイルの裏側に何の残業が描かれているかはわかりません。

　プレイヤーが手番でできることは2種類です。表側になっているキャラクターのタイルを裏側にして残業タイルにすること。もしくは、残業タイルをほかのプレイヤーに押し付けること。どちらか片方だけ1回行ったら、次のプレイヤーの番になります。

　残業タイルを押し付ける場合は、押し付けるプレイヤーの前に残業タイルが置かれていなければなりません。もし同じ種類の仕事が置かれているか、同じ種類のキャラクターが残業タイル面になっていたら、自分の残業タイルを相手の残業タイルの上に重ねておきます。その際、表側になっているタイルは重ねられませんのでご注意ください。また、自分のタイル同士を重ね合わせることもできます。

同じ仕事、もしくはキャラクターなので重ねられる

　一度重なったタイルは、1つの塊として考えます。つまり、自分の前に複数枚重なったタイルがあった場合は、まとめてほかのプレイヤーへ押し付けることができるのです。なお、重なっているタイルの種類を見る場合は一番上のタイルで判断します。

重なったタイル。この場合はキャラクター"社長"の仕事"伝票整理"として扱う

　このようにしてタイルを裏側にしながら残業を押し付けていき、誰もタイルを押し付けられなくなった時点で、前にあるタイルの量がもっとも少ないプレイヤーの勝利です。

　このようにやることは簡単で、できることも限られていますので、あっさりと遊び終わりそうな雰囲気の本作ですが、これが結構悩むのです。確かに序盤は、サクサク進みます。しかしタイルが重ねられて減ってくる後半になりますと、タイルを押し付けるとすぐに返ってきそうだとか、この表側のタイルを裏側にするとあのプレイヤーからタイルの山がやってくるからもう少し待とう、などと先を読んだプレイが必要になってきて、とたんに皆悩み始めます。ここからが勝負であり、面白いところです。そして、終了する少し前に、先を読んだ結果負けが確定したことが判明して頭を抱えたりするわけですが。

　といいましても全体的にはお手軽なゲームで、使用するタイルも厚めかつ大きめなので遊びやすいです。初回プレイ時は、タイルの表裏が少し判別しにくいかもしれませんがすぐに慣れます。背景に色が付いているほうが裏側です。本作で、サクサクと遊んでいたと思ったら突然考えるようになるという、不思議な感覚を味わってみて下さい。

●URL

お先に失礼しま〜す（日本語版発売元のページ）

http://www.mobius-games.co.jp/mobiusgames/osakinishitsurei.html

（橋本崇史）