勝負は最後の一投までわからない!? ダイスゲーム『ベガス』
今回紹介するのはダイスゲーム『ベガス』。ダイス、つまりサイコロを振る楽しさと駆け引きを味わえる作品で、2人から5人で遊べますが、5人で遊ぶのが最適です。プレイ時間は30分ほどと手軽で、遊び終わるともう1ゲームしたくなるちょうどいいバランスです。
舞台はラスベガスのカジノを模した6枚のタイル。それぞれ1から6のサイコロの目が記されています。ラウンドの始めに、各タイルに合計5万ドル以上のドルカードを置いて準備完了です。
プレイヤーは、各自サイコロを8個ずつもってスタートします。手番が来たら、手持ちのサイコロをすべて振ります。そして出た目のうち、選んだ目のサイコロをすべて、その目の記されたタイルに置きます。たとえば1/1/1/3/3/5/6/6という目がでた場合、1の目がでたサイコロを三つすべて1のタイルに置く、などです。この際、置いたサイコロはラウンド終了時まで手元に戻ってきません。
一度サイコロを置いたら次のプレイヤーの番になり、同じようにサイコロを振ってタイルに置いていきます。これをすべてのプレイヤーの手元からサイコロがなくなるまで行ったら1ラウンド目の決算になり、各タイルに最も多くのサイコロを置けたプレイヤーが、最も高額のドルカードをゲットできます。そして4ラウンド後、ドルカードを最も稼いだプレイヤーの勝利となります。
ポイントは、サイコロをタイルに置く際は、1度に1種類の目のサイコロしか置けないことと、その際に同じ目のサイコロはすべてタイルに置かなければならないことです。つまり、1/1/1/3/3/5/6/6という目がでた場合、1を一つだけタイルに置くとか、3と6を別々のタイルに置く、などということはできません。
もう一つのポイントは、サイコロを振ったら最低でも一つはサイコロをタイルに置かなければならない、ということです。つまり出た目が意図にあわず、安いドルカードが載ったタイルにしか置けないとしても、サイコロをおくのをやめて再度すべて振りなおす、などということはできないのです。
そしてさらにもう一つ、重要なポイントがあります。決算の際、タイルに置かれた各プレイヤーのサイコロの数が同じだった場合は、両者のサイコロがともにタイルから取り除かれ、ドルカードをゲットする権利がなくなってしまうということです。
これらのルールが噛み合うことで、熱いサイコロの振り合いが展開されるのが、本作の特徴です。思うように操れないサイコロの目によるサプライズがあった時や、まだいけるんじゃないかと賭にでた結果がうまくハマった時などは大いに盛り上がります。
逆に、最初の振りでサイコロを多めに置けたので大丈夫だろうと油断していたタイルが、じわじわと迫られて並ばれた時の焦りや、サイコロを追加して逃げきろうとしたが目が出ず、結局同数で並んだまま終わってすべてがオジャンになった時の悔しさ、などを味わえるのも醍醐味です。
本作は、短い間に多くのドラマを垣間見ることができるという、まさにラスベガスでのギャンブルの雰囲気を味わえる、お手軽で間違いなく盛り上がる作品です。ベテランも初心者も一緒になってワイワイ楽しむのにうってつけといえるでしょう。
●URL
ベガス
http://www.mobius-games.co.jp/alea/Vegas.html
(橋本 崇史)