資材ダイスを建物の青写真に合わせて積み上げる『ブループリント』
今回紹介するのはダイスゲーム『ブループリント』。設計図を参考に建てる建物の正確性や独創性を競い合う作品で、2人から4人で遊べます。
プレイヤーは建築士となり、青写真(ブループリント)をもとにダイスを組み上げて建物を完成させ、その出来映えを競います。合計3ラウンドで稼いだ勝利点の多いプレイヤーの勝利です。
ゲームに使用するのは青写真カードと4色の資材ダイス。青写真カードにはダイスを積む際の指針となる設計図が描かれているので、プレイヤーはそれにしたがってダイスを積んでいきます。
ゲーム開始時に、プレイヤーはそれぞれ青写真カードを1枚ランダムに受け取り、自分用のついたての裏に表向きに置きます。またダイスを袋にすべて入れて、まず2つ取りだし得点ボードに置きます。このダイスは"人気のある資材"となり、建物の優劣を決める際に使用します。その後、プレイ人数よって指定されているぶんだけのダイスを袋から取り出して振ったあと、ダイス目ごとにまとめて場に置いたら準備完了です。
プレイヤーは手番がきたら、場に置かれたダイスのうち1つを取って、ついたての後ろにある自分の青写真カードの上に置きます。ダイスは、カードの空いている数字のマスの上か、すでに置かれているダイスの上に積むことができます。
ただしダイスの上にダイスを積む場合は、同じ目か、より小さな目の上にしか積むことができません。それ以外に制限はありませんので、1と書かれているマスの上に2つ以上のダイスを積むことも可能です。1と書いてあるマスには1つ、2と書いてあるマスには2つのダイスを置いていくと設計図通りの建物になりますが、設計図通りに建てる必要はありません。
カードの上にダイスを置いたあとは、袋からランダムにダイスを1つ取り出して振って場に追加し、次のプレイヤーの手番になります。各プレイヤーが6つずつダイスを取ったら1ラウンド終了で、それぞれの建物を公開して得点を計算し、高得点の建物を建てたプレイヤーや特徴的な建物を建てたプレイヤーは勝利点を得ます。
ポイントは、ダイスの色と組み合わせによって建物の価値が変わるということです。青写真カードの通りにダイスを積んだ場合は得点が得られますが、得点手段はそれだけではありません。たとえば、緑のダイスは、数多く使えば使うほど得点が高くなりますし、黒のダイスは積んだ階が高いところであるほど高得点になります。橙のダイスは面で接している数だけ得点になりますし、透明のダイスはその目と同じだけ得点を得られます。
こうして計算した建物の得点を比較して、もっとも多くの得点を稼いだプレイヤーが、もっとも高い勝利点の得られる賞カードを手に入れます。なお、複数の建物の得点が同点だった場合は、ラウンド開始時に選んだ人気のある資材を多く使用している建物のほうが上位になります。
もう1つのポイントは、得点の高い建物を建てて得られる賞カード以外にも、勝利点を稼ぐ方法があることです。そのためには、とても高い建物を建てるなどの"偉業"を達成する必要があります。
たとえば建物を5階以上の高さにできれば"偉業:摩天楼"を達成できますし、建物に同じ目が4個以上含まれていれば"偉業:構造的完全性"を達成できる、といった具合です。偉業は1つ達成するごとに2勝利点になりますので、1度に2つ以上達成できれば賞カードで得られる勝利点を超えることになります。
重要なのは、偉業は1種類につき1ラウンド1つしか達成できないということです。ですので、たとえば5階以上の建物が2つできた場合は、人気の資材による判定になります。
ダイスは各色8個ずつしかありませんし、各プレイヤーの建設中の建物はついたてで隠されていますので、ほかのプレイヤーがどんなダイスを取っていったかを覚えておくことはとても重要になってくるわけです。
また偉業は、青写真カードの設計図と相性が良いものと悪いものがあります。相性が良いものであれば、青写真カード通りに建物を建てるボーナスと同時に偉業の達成も狙えますが、相性の悪い"偉業:摩天楼"の場合、達成すると青写真カード通りの建物が絶対に建ちません。
さらに、ダイスの色と相性の良い偉業もありますので、場に置かれた資材ダイスの種類やその目、対戦相手が持っていったダイスの種類などを考慮しつつ、どこまで自分の望んだ建物を建てられるかが悩ましくも楽しいです。
偉業の達成で得られる勝利点は大きいですので、達成しやすい偉業は対戦相手とカブる可能性が高くなりますし、達成が難しい偉業は達成さえすればライバルと競うことなく勝利点を得られるかもしれません。
そこで重要になってくるのが、袋から毎回取り出すダイスの色とその目です。他人の手番であってもダイスを取り出す際は一喜一憂しますし、自分がダイスを取り出す場合も力が入ります。新しく加わるダイスによって、当初の計画通りに進むか、諦めてプランBに変更するかといった判断をしなければなりませんので。
本ゲームは、手軽な割には適度に悩めるというバランスがとれている作品です。ダイスの置き方には制限があるので各自の手番で長考することはない上、他人の手番であっても自分の建物などについて考えられるため、暇にならないのもうれしいです。プレイ時間は30分と手頃ですので、ダイスの色と目を考慮しながら積み上げていくというちょっと変わったプレイ感を楽しんでください。
© Z-Man Games, Inc.
●URL
Blueprints - Light Games :: Zman Games(製作元Z-Man Gamesのページ。なおホビージャパン翻訳の日本語ルールにてプレイ)
http://zmangames.com/product-details.php?id=1369
(橋本 崇史)