『スプラッシュ！』：相手に積みづらいブロックを渡していく手に汗握るゲーム

　今回紹介するのは木のブロックを使用したゲーム『スプラッシュ！日本語版』。ブロックを崩さないよう積んでいく器用さが必要な作品で、2人から6人で手軽に遊べます。

　プレイヤーは、木製の小さなブロック（積み木）を積んで、塔を作っていきます。積む際に塔を崩さないようにしながら、手持ちのブロックを一番早くなくすなどしたプレイヤーの勝利です。

　主に使用するのは、5種類6色のブロックと水しぶきコマ。まず、各プレイヤーがブロックを1つずつ取っていき、全員が同じ数のブロックを手元に確保したら準備完了です。

最初のプレイヤーが場の中央に塔の土台となるブロックを置く。この上に皆がブロックを積んでいく仕組み

　一般的なゲームの場合、プレイヤーは手番がきたら手駒のブロックを中央の塔の上に載せていきますが、本ゲームの場合は異なります。隣のプレイヤーに、積ませたいブロックを渡すのです。ただし渡すブロックには決まりがあります。現在の塔の一番上のブロックと、色もしくは形が同じでなければなりません。

一番上のブロックは黒い長細いブロックなので、長細いものもしくは黒いものを渡さなければならない

　ブロックを渡されたプレイヤーが無事にブロックを積んだら、そのプレイヤーが次のプレイヤーにブロックを渡します。

　ブロックを積む際に崩してしまったら、そのプレイヤーにブロックを渡したプレイヤーが水しぶきコマを受け取ります。この水しぶきコマを3つ集めることが（つまり、ブロックを渡した隣のプレイヤーが3回塔を崩すことが）、勝利条件です。

　ポイントは、勝利条件がもう1つあることです。それは、手持ちのブロックを一番最初になくすことです。ブロックを減らす手段は2つあります。1つは、隣のプレイヤーにブロックを渡すこと。重要なのは前述のとおり、現在の塔の一番上のブロックと"同じ色"もしくは"同じ形"のブロックしか渡せないという条件があることです。

　では条件にあうブロックが手持ちになかったらどうなるかといいますと、他のプレイヤーの手持ちブロックの中から、条件にあうものを探して渡さねばなりません。つまり、他のプレイヤーの手駒を減らして勝利に近づけてしまうわけです。逆に、うまくブロックを渡していけば、他のプレイヤーが自分のブロックを減らす手助けをしてくれるのです。

　一方、ブロックは減るだけでなく増えることもあります。塔を崩してしまったプレイヤーはペナルティとして、崩した塔の残骸から最大3つまでのブロックを、手駒に加えなければなりません。重要なのは、この際にどのブロックを手駒にするか、です。上手な組み合わせを選べれば、増えた手駒をあっさりと減らすことができるかもしれません。

塔が崩れたら、その時点で残っているもっとも高いブロックを土台にしてプレイが続く

　本ゲームは、手先の器用さだけがものをいうわけではないところがおもしろいです。ゲーム開始時のブロック選択は重要で、偏らせすぎると終盤に手駒が減らなくなる危険性があります。そして最終盤は同色もしくは同形というルールに縛られた結果、思わぬ人が手駒をなくして勝利することもあるのです。

　といってもやはり器用さはもっとも重要な要素ですので、筆者のようにすぐ手がプルプルしてしまう人にはオススメできません。ですが器用な人たちが無茶なチャレンジをして、うまくいったりいかなかったりするのを眺めているのも、ドキドキして楽しいです。眺めてみた結果、これは無理だろうという状況からさらに数個積み上げていましたので、結構頑張れるようです。筆者がやると半分も積めませんが。

　また、ブロックを多数使用するゲームでありながら、小箱に収まるサイズなのも嬉しいところです。箱の大きさが絶妙すぎて、プレイ後にケースへしまうのに少し手こずるのはご愛嬌。