加速したり邪魔したりしつつ3種のコマをゴールさせるボードゲーム『BANTU』
今回紹介するのはボードゲーム『BANTU』。早さの違う3種類のコマを早くゴールさせることを競う1955年生まれの作品で、2人から4人で遊べます。
プレイヤーは、3種類のコマをボード上のトラックのマスに沿って進めていき、早くゴールさせることを目指します。もっとも早くすべてのコマをゴールさせたプレイヤーの勝利です。
ゲームで使用するのは、道とマスが描かれたボードと、各プレイヤーにつき4つのコマ。1つはプレイヤーが担当する色を示すために手元に置いておきますので、ゲームで使用するのは1人につき3つだけです。
コマにはそれぞれ1/2/3の数字が書かれています。これらのコマをボード中央にある待機場に置いたら準備完了です。
プレイヤーが手番でできることは2種類のアクションのうちから1つだけ。待機場からコマを1つトラックに出すか、トラックに出ているコマを1つ動かすかです。
待機場からコマを出す場合は、それぞれの待機場に接したスタートラインに出さなければなりません。つまり、1のコマはゴールに近いところに出られますが、3のコマはゴールから遠いところから進み始めます。
トラックに出ているコマを動かす場合は、いくつかルールがあります。まず、コマは自身に書かれた数字の分だけマスを進むことができます。したがって、3のコマはゴールから遠いところから進み始めますが、1のコマよりも3倍早く進めるわけです。
そして、コマは必ず進むことができる数だけ進まなければなりません。3のコマが何らかの理由で2マス以下しか進めない場合は、そもそも移動できないのです。さらに、コマは必ず前進しなければいけません。最後に、コマは他のコマを通過してはいけません。
それ以外に、進む速度を加速するルールもあります。トラック上にはスタートラインのように、いくつかのマスがまとまっている"ライン"という場所があります。同一ライン上に、自分の動かすコマのほかに別のコマがいた場合は、ライン上にいるコマの数字を合計した数だけ、自分のコマを動かすことが可能です。
速度を加速させる場合、ライン上にいる他のコマは自分のコマでも他人のコマでもかまいません。ですので、1と同じラインに3のコマを置けば1のコマを4マス進ませることができますし、逆に他のプレイヤーのコマを加速させたくないので自分のコマを動かしたくない、という事態も生まれます。
そして逆に、コマを後退させるルールもあります。コマを進ませる際に、他のコマの上を追い抜くことはできないのですが、他のコマがいるマス丁度に止まることができる場合は例外です。その場合は"ヒット"となり、ヒットされたコマを待機場、つまりスタート地点に戻すことができるのです。
ただし、同じライン上に複数のコマがある場合などはヒットされません。ですので、ヒットされないようにライン上に逃げ込んだら、他のコマを加速させてしまったということになるのが悩ましいところです。
コマを進めるトラックには複数のルートが用意されています。単純に最短のルートを進もうとしますと、同じことを考えるプレイヤーに後ろからヒットされる危険性が高まります。また、1回で動ける数はコマごとに異なりますし、ラインで加速されますので、油断しますと安全だと考えたコマがヒットされてしまうこともあります。
本ゲームは、手番でできることはシンプルですが、漫然とコマを動かしているだけでは勝てません。運の要素はまったくありませんので、コマの能力とボードのルートなどを睨みつつ、対戦相手の思考を想定しながら最善手を考えるのが楽しい作品です。といっても長考するほどでもありませんので、短いながらもアタマを使う駆け引きを堪能してください。
●URL
BANTU(バントゥ) | I am Factory
http://www.iamfactory.jp/items/509196
(橋本 崇史)