ボードゲーム・エントランス

ボードゲームやカードゲームを中心としたアナログゲームを紹介しています。なお、2016年1月28日以前の記事は、株式会社インプレスが運営していた“ゆるこいぶろぐ”に掲載していた記事を、許諾を得て転載したものです。

ロンドンの霊媒師となりカードを"霊視"する推理ゲーム『ディヴィナーレ』

 今回紹介するのはボードゲーム『ディヴィナーレ』。半分ほど知ることができる情報をもとにカードの内容を推理していく作品で、2人から4人で遊べます。

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 時は19世紀末のロンドン。プレイヤーは国際霊媒師大会の決勝戦に残った霊媒師となり、名誉と優勝賞金1,000ポンドを賭けて占いバトルを繰り広げます。

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名だたる霊媒師たち

 プレイ開始時に、4種類のカードをよく混ぜてから参加人数に応じた枚数を各プレイヤーに配ります。その際、重要なのはすべてのカードを配るわけではないということです。合計36枚のカードのうち、使用されるのは24枚で、残りの12枚は裏にしたまま脇に置いておきます。この24枚のカードの内容を推理するのがゲームの目的です。

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4種類の占いをイメージしたカード

 ゲームに使う4種類のカードの総枚数はそれぞれ6枚から12枚と異なっている上に、ランダムで1/3が取り除かれているので、初手の状態ではどれが何枚あるかはさっぱりわかりません。しかしプレイしていくにつれて、少しずつ推理のタネが明かされていきます。

 プレイヤーが手番でできることは2つ。まず、手札からカードを一枚選んで、対応する種類のボードのそばに置きます。

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"紅茶占い"カードを"紅茶占い"ボードのそばに置く。ボードやカードが凝っているのもこの作品の魅力

 つづいて、今カードを出した種類のボード上にある自分の"霊視トークン"を、同じボードの別のマスに動かして、次のプレイヤーの手番になります。マスには数字が書かれていまして、ゲーム終了時に出されたカードの総枚数とトークンが置かれたマスの数字が一致すれば、高得点になります。

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"紅茶占い"カードを出したら、"紅茶占い"ボード上の自分のトークンを動かす。たとえば7に置いた場合、最終的に"紅茶占い"カードが7枚置かれたら大正解になる

 ポイントは、毎回カードは1枚出さなくてはならない上に、それにあったトークンも毎回動かさなければならないということです。

 つまり、出されるカードの枚数を予測できたとしても、手札にカードが残っていればトークンを動かさなければならないので、すぐに正解のマスに置くわけにはいかないのです。しかし、すでにトークンが置かれているマスには別のトークンは置けませんので、正解を推測できたらなるべくはやく目的のマスにトークンを置く必要があります。

 そしてもう1つ重要な要素があります。皆の手札が一定の枚数になった回の最初に、手札の半分を選んで右のプレイヤーに渡さなければならないのです。3人か4人で遊ぶ場合は、1枚目のカードを使う前にカードを渡さなければなりません。

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4人で遊ぶ場合は、手札が6/4/2枚になった回の最初に、手札を半分渡す。なお、スタート時の手札は6枚で補充はない

 この際に何のカードをもらうか、渡すかはとても重要です。カードの内容を把握できるため推理は楽になりますが、隣から回ってくるカードによっては、誤誘導されてしまう場合もあるからです。

 カードを渡す側としても同じで、別種のカードを1枚ずつ回してあまりヒントにならないようにしてみたり、回すカードの種類を偏らせて、さもそのカードが多いように見せかけたりする、などと策を練ることができるわけです。

 といっても考えることは皆同じで、たいていの場合手札を渡しあったあとは、プランを立て直さねばと頭を抱える羽目になるのですが。

 本ゲームは、徐々に明らかになっていくカードの内容を、ブラフに騙されずに推測していくのが楽しい作品です。また、最終的には勘がものをいうことがあるのもゲームのストーリーと合っていますし、ボードやカードといったコンポーネントのできがよく、とても雰囲気のある作りになっているのも特徴です。ゲームとしては手軽ですので、たまには19世紀末のオカルトチックな雰囲気に浸ってみるのはいかがでしょう。

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ダメージの演出がされている箱

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ボードの裏まで凝った作り

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得点トークンは宝石を模している

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霊視トークンはそれぞれのキャラクターを象徴したアイテム

© Asmodee

●URL

ホビージャパンゲームブログ ホビージャパンゲームBlog ラミ、お前は右に座れ。『ディヴィナーレ』(日本語ルール翻訳元ホビージャパンのページ)

http://hobbyjapan.co.jp/game/?p=5379

(橋本 崇史)