ボードゲーム・エントランス

ボードゲームやカードゲームを中心としたアナログゲームを紹介しています。なお、2016年1月28日以前の記事は、株式会社インプレスが運営していた“ゆるこいぶろぐ”に掲載していた記事を、許諾を得て転載したものです。

幻想的なイラストを付かず離れずな言葉で表現するカードゲーム『ディクシット』

 今回紹介するのは、カードゲーム『ディクシット』。不思議なイラストの描かれたカードを使う作品で、3人から6人で遊べますが、多人数で遊ぶとより楽しいでしょう。

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 ゲームの目的は、自分の出したカードがなにを描いているのかを説明して当ててもらうことです。ですが、適切な説明をしてしまい皆に当てられてしまうと、点数を稼げません。つまり、付かず離れずな、ちょうどいい案配の言葉を見つけだすために頭をひねるゲームです。

 ゲームで使用するのは、幻想的なイラストの描かれた84枚のカード。手番のプレイヤーは6枚配られた手札から1枚を選び、そのカードを表す言葉を宣言して、裏にして場に出します。ほかのプレイヤーは同じく6枚配られた自分の手札から、手番プレイヤーが宣言した言葉に最も近いと思ったカードを1枚選び、裏にしながら手番プレイヤーに渡します。

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 手番プレイヤーは自分の選んだカードと受け取ったカードをよく混ぜ、表にして順番に並べます。ほかのプレイヤーは、その中のどれが手番プレイヤーの選んだカードなのかを推測して投票していきます。その結果、みごとに手番プレイヤーの出したカードを当てることができたら、そのプレイヤーは3点を獲得でき、かつ手番プレイヤーも3点を獲得します。

 という説明を読みますと、点を稼ぐにはイラストを正確に表した言葉を言えばいいんだなと考えてしまうでしょうが、それではダメなのです。手番プレイヤーの出したカードを、ほかのプレイヤーがすべて当ててしまった場合は、手番プレイヤーにはまったく点が入らず、代わりにほかのプレイヤー全員が2点ずつもらえる仕組みだからです。逆に、皆がハズした場合も同じように点が入ります。つまり、そのものズバリでもなければ全く的外れでもない言葉を見つけださなければならないのです。

 また、手番プレイヤー以外のプレイヤーも、手番プレイヤーが宣言した言葉に沿ってカードを選ぶ際は、アタマを悩ませる必要があります。投票時に、自分の出したカードが、手番プレイヤーの選んだカードだと思われて投票された場合は、1票につき1点入るからです。

 幸い、イラストはどれも一筋縄ではいかなく、奇妙な描写が満載になっていますので、想像力を羽ばたかせる余裕がたくさんあります。あまりにも突飛な発想をしてしまうと誰も付いてこれなくなってしまい、総ハズレになってしまいますが、それもまた一興です。得てして、そういう場合のほうが盛り上がりますから。

 本作はルールは簡単ですが、脳味噌の使う場所が一般的なゲームとはだいぶ違うところが、とても楽しい作品です。プレイ時間も短めですので、重いゲームの間などに遊んで、アタマを柔らかくするにはうってつけではないでしょうか。

© Libellud

●URL

ディクシット日本語版

http://hobbyjapan.co.jp/dixit/

(橋本 崇史)