中華鍋に合う食材を買って料理するカードゲーム『ウィ・ウィル・ウォック・ユー』
今回紹介するのはカードゲーム『ウィ・ウィル・ウォック・ユー』。高い得点の組み合わせになるように食材を買っていく作品で、ロック歌手をパロディにしたカードも目に楽しいです。2人から4人で遊べます。
プレイヤーの目的は、何種類かあるウォック、つまり中華鍋を確保しつつ、その鍋にあった食材を買っていくことです。鍋に投じる食材の組み合わせによって得点が変わり、最終的にもっとも得点を稼いだプレイヤーの勝利となります。
中華鍋にはいくつか種類があります。フタの閉じている鍋は、獲得すると書かれている数字の得点が入ります。フタの閉じていない鍋には、食材を入れていきます。食材の絵が買かれている場合は、その食材をすべていれるなどした場合に得点が入ります。食材が指定されている中華鍋のほうが得点は高いので、目標を定めながら食材を入手していくわけです。
手番でできることは3種類。コインを入手する、食材カードを1列分買う、中華鍋カードを手に入れるのうち、1つだけ実行可能です。
このゲームで特徴的なのは、各カードの入手方法です。ゲームスタート時に、まず食材カードを3枚並べた列を2つ作ったのち、となりにコインカードを6枚並べます。つづいて、食材カードを2枚並べた列を2つ作ったのち、コインカードを4枚並べます。
この並びが意味するのは、3枚の列はコイン6枚の価格、2枚の列はコイン4枚の価格ということです。つまり、スタート時点では、コインを6枚払うと、3枚の列のどちらかのカードを入手できるというわけです。
しかし、スタート時のプレイヤーの資金は、コイン3枚しかありませんので、どのカードも買えません。そこでコインを入手する必要があります。
コインを手に入れる方法は一つで、手番の時に場に並んでいるコインカードのうち、どれか一枚を手札に加えることができます。すると場に並んでいるコインが減りますので、食材カードの価格が安くなるのです。
では食材を買う場合はどうなるでしょう。たとえば最初のプレイヤーが、食材2枚の列にある4枚のコインから1枚を取ったとします。すると2枚の列の価格は3枚になり、次のプレイヤーが購入できるので買ったとします。
すると、代金の3コインは、買われた列のコインに加わります。つまり今回の場合、払われた3枚のコインは食材カード2枚の列のとなりに加わり、2枚の列の価格が6コインになるわけです。
このように、自分がコインを入手すると次の人が食材を買いやすくなりますし、逆にできるだけ安く買おうとしてタイミングを誤ると、食材を買われた上に残りの食材の価格も値上がってしまうという、迷い所・考え所・読み所がつまった作品なのです。
そうして手に入れた食材カードですが、これらは中華鍋に入れて料理するだけでなく、中華鍋を入手する際にも使用します。
手番の際、食材カードの上部に描かれたマークが、同じもの4つになるように場に出すことができれば、場に並んでいる好きな中華鍋カードを入手できます。この際に使用したカードは自分の前に並べ、ゲーム終了時の得点計算の際に、中華鍋に入れる食材として使用できます。
場の2枚もしくは3枚の食材カードのうち、どちらかがすべて無くなったらゲーム終了で、手札と自分の前に出した食材カードと中華鍋を組み合わせて得点を計算します。
本ゲームは、食材カード・コインカード・中華鍋カードが相互に関係しているので、読み合いと駆け引き、そしてジレンマを堪能できる作品です。カードゲームとしては少し重めですが、長考するほどではないというバランスのとれた難易度ですので、静かで熱い読み合いを楽しんでください。
© Pegasus Spiele
●URL
ホビージャパンゲームブログ >> ホビージャパンゲームBlog >> カカカカカカッ! 「ゲームは勝負」だ!『ウィ・ウィル・ウォック・ユー』(輸入販売元のページ)
http://hobbyjapan.co.jp/game/?p=6617
(橋本 崇史)