ボードゲーム・エントランス

ボードゲームやカードゲームを中心としたアナログゲームを紹介しています。なお、2016年1月28日以前の記事は、株式会社インプレスが運営していた“ゆるこいぶろぐ”に掲載していた記事を、許諾を得て転載したものです。

組み合わせた地形タイルへ配下を送り込み領土を増やす『カルカソンヌ』

 今回紹介するのは、ボードゲームカルカソンヌ』。様々な種類の地形タイルを組み合わせた地形に、配下コマを配置して領土を増やしていく作品で、2人から5人で遊べます。

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 ゲームに使用するのは、72枚の地形タイルと各自8個ずつの配下コマ。ランダムに引いて使用する地形タイルは24種類とバラエティに富んでいますので、遊ぶたびに違う展開が楽しめるでしょう。

 ゲームは、まずスタート地点になるスタートタイルを中央に置くことから始まります。手番のプレイヤーは、裏向きになって積まれている地形タイルの山から、1枚の地形タイルをとって皆に見せた後、配置します。

 地形タイルの配置には決まりがあります。まず、すでに置かれている地形タイルの一辺と接して置かねばなりません。なおかつ、地形タイルに道や都市、草原が描かれている場合は、それらが置かれているタイルの絵とつながるように置かねばなりません。

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都市や道が繋がっていないのでこのようには置けない

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繋がるようにすればよいので2マスの都市でもOK

 こうして、皆で少しずつ地形を決めていくのですが、これだけでも徐々に都市と周辺の風景ができあがっていくのが楽しいです。なお地形タイルを置く際は、ほかのプレイヤーから助言をもらうこともできます。

 地形タイルを置いた後は、手持ちの配下コマを1つ、今置いた地形タイルの上に置くことができます。その際には、地形タイルに描かれた都市や道、草原などのいずれかを指定してその上に配下コマを置きます。地形の組み合わせと配下コマの置き方によって獲得する得点が変わる仕組みです。

 得点を獲得するチャンスは、大きく分けて2パターンあります。まず、都市や道などを完成させること。完成した都市や道は大きければ大きいほど得られる得点も多くなります。

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完成した都市。完成するには都市の周りがすべて城壁で囲われる必要がある。黒い配下コマが置かれた右の都市はまだ未完成

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完成した道。両端が都市や交差点などになっている必要がある

 都市や道が完成した場合は、即座に規定の得点を獲得した上で、配下コマを手元に回収します。回収した配下コマは再び配置できるうえに、完成していないところからは配下コマを回収できませんので、大きな都市を作らずに小さな都市を複数作っていくという選択肢もあります。

 もう一つの得点を獲得するチャンスは、草原を支配することです。草原の場合は、接している完成した都市が多いほど得点が増えますので、展開によっては高得点が望めます。

 ただし、草原に置いた配下コマは、ゲームが終了するまで手元に帰ってきませんので、タイミングを見計らって置かないと、配下コマ不足になりますので気をつけてください。

 では、都市も道も草原も大きい方が得点が高いのだったら、皆で協力して大きくすればいいのでは、と思うかもしれませんが、そう簡単にはいきません。

 地形タイルを置いた際、その地形タイルに描かれている都市や道や草原がつながるほかの地形タイルの上に、既にほかの配下コマが置かれている場合は、繋がる部分に新たな配下コマを置けないのです。

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右上の地形コマを置く場合は、すでに黄色い配下コマが置かれている左の都市に繋がるところには、新たに別の配下コマを置くことはできない。ただし、中央の草原部分や右の都市の部分に置くことはできる

 また、各人が配下コマを置いた時点では離れたいたのが、その後の展開で同じ都市や草原になってしまった、ということもあります。その場合は、一つの都市内により多くの配下コマを置いたプレイヤーが得点を総取りする仕組みですので、先を読んだ配置が重要になってきます。

 このようにして地形タイルをすべて置き終わったら最後の得点集計になります。ここでやっと草原が得点になるほか、未完成の都市や道も得点になります。

 面白いのは、都市の場合、完成すると1マスにつき2ポイント得られるのに対し、未完成の場合は1マスにつき1ポイントしか入らないということです。また、草原の場合は、完成した都市と接していると、都市一つにつき3ポイント入ります。つまり、都市を完成させると得られる得点が高くなり、かつ都市に接している草原を確保したプレイヤーにも得点が入りますので、自然と複数人が協力して都市を完成させていくようになるわけです。

 本作は手番で行うことが、ランダムに1枚引いた地形タイルをおいて配下コマをおく、とシンプルなのでサクサク遊べるのがうれしいです。その一方、ほかのプレイヤーと協力しながら地形を広げていきつつ、いかにして自分だけ高得点を狙うかというところはしっかり頭をつかうので、バランスのとれた作品になっています。地形タイルを並べていくだけでも見栄えがして楽しいですので、アナログゲームの入門用にオススメです。

●URL

カルカソンヌ(日本語版発売元のページ)

http://www.mobius-games.co.jp/HansimGluck/Carcassonne.htm

TOP | カルカソンヌ日本選手権(Carcassonne Japan Open 2012)

http://www.mobius-games.co.jp/carcassonne/

(橋本 崇史)