競り落とした建物を転売して稼ぐカードゲーム『フォー・セール 日本語版』
今回紹介するのはカードゲーム『フォー・セール 日本語版』。二種類の競りを手軽に楽しめる作品で、3人から6人で遊べます。
ゲームは大きく二段階に分かれています。前半は手持ちの資金をつかって財産を競り落としていき、後半は競り落とした財産を売って小切手に換えて稼いでいきます。ゲーム終了時にもっとも稼いだプレイヤーの勝利です。
前半の競りは、ターン開始時に山札からプレイヤーの枚数だけめくられる財産カードを手持ちの資金で競り合います。プレイヤーは手番がきたら、前の人より高い値を付けるかパスをするかを選択します。
パスをしたプレイヤーは、その回の競りから抜けるかわりに、場にでている財産カードのうちもっとも価値の低いカードを手に入れます。その際、すでに競りで値を付けていた場合は提示していた額の半分だけ手元に戻ります。なお、1度も入札せずにいきなりパスをすると、無料で財産カードを入手できます。
1人を残してほかのプレイヤーが皆パスをしたら、最後の一人が残ったもっとも価値の高い建物カードを競り落とします。その場合は、提示した金額をすべて支払わなければなりません。
財産カードをすべて競り終えたら、後半の始まりです。今度は小切手カードの山札からプレイヤーの枚数だけカードをめくって、先ほど競り落とした財産カードを使って獲得していきます。
今度は、毎回各自1枚ずつ財産カードを一斉に出し、もっとも大きな財産カードを出したプレイヤーから順番に、価値の高い小切手カードを入手していきます。こうして財産カードを使い切ったらゲームは終了で、手に入れた小切手カードと前半の競りで残った資金を合計して、もっとも多かったプレイヤーが勝利します。
前半のポイントは、いきなりパスをするとカードを無料で手に入れられるということです。そういう場合に入手するカードの価値はほとんどの場合低いのですが、どんな財産カードも後半で小切手に換えられますので、プラスにできる可能性は高いです。そして、使わずにいた資金で価値の高い財産カードを競り落とすわけです。
などと考えていますと、価値の高い財産カードが出たときについ熱くなってしまい大枚を払ってしまうわけですが。
後半のポイントは、記憶力です。前半で誰がどのカードを落としていたかを覚えていられるとかなり有利になります。私のように記憶力が残念な場合は、後半で価値の高い財産カードが使われたかどうかを頭に入れながらプレイしていくと、手持ちの価値のある財産カードを宝の持ち腐れにしなくてすむかもしれません。
また、価値の低いカードであっても絶対に1枚は小切手カードを入手できるというのも重要です。つまり場札によっては、無料で入手した価値の低いカードが思わぬ額に化けることもあるわけです。ただし、0ドルの小切手カードもありますのでご注意ください。
本ゲームは、競りゲームの中では手軽な作品です。前半はパスをしても必ずカードを入手できますし、後半は毎回一発勝負ですので、サクサク進みます。それでいてきちんと競りの醍醐味を味わえ、勝つには戦略が必要になります。
個人的に気に入っているのは、前半も後半も毎回誰もが競りでカードを入手できるということです。この仕組みのおかげで、競りが得意ではないプレイヤーでもゲームにきちんと参加していると感じながら最後まで遊ぶことができます。結果、たとえ勝てなくても、楽しむことができる作りになっているのではないでしょうか。
●URL
フォー・セール 日本語版 (For Sale) - New Games Order, LLC.(日本語版発売元ニューゲームズオーダーのページ)
http://www.newgamesorder.jp/a/newgamesorder.jp/www/games/forsale_jp
(橋本 崇史)