罠を避けつつ多くのチーズを集めるカードゲーム『チーズがいっぱい』
今回紹介するのはカードゲーム『チーズがいっぱい』。運と確率を読みながら穴あきチーズを集めていくお手軽な作品で、2人から6人で遊べます。
プレイヤーはネズミとなり、罠にかからないようにしながらなるべく多く穴の空いたチーズを集めていきます。ゲーム終了時に、もっとも多く穴の空いたチーズを集めたプレイヤーの勝利です。
使用するのは裏側にチーズ、表側にネズミか罠の描かれたカードと、ダイスが1つ。カードに描かれているチーズには1つから6つの穴が空いており、穴の多いチーズほど高得点になります。
カードをよく混ぜてから裏向きのまま6枚を場に並べ、残りを山札にしたら準備完了です。
プレイヤーが手番でできることは、大きく分けて2種類。まず、ダイスを振って出た目と場のカードを見比べて、出た目と同じだけの穴の空いたチーズがあるかないかを調べます。もし、場に出た目と同じだけの穴の空いたチーズがあれば、そのうち1枚を取る、もしくは捨て札にします。
捨て札にする場合は、表側を見ずに裏向きのまま捨てます。取ることにした場合は、カードを表向きにします。それがネズミだった場合は、チーズの穴の数だけ得点になります。ですが、罠だった場合は得点になりません。それだけではなく、罠カードを合計3枚引き当ててしまったら、ゲームに敗北してしまうのです。
ポイントは、穴が多く空いている得点の高いチーズほど、表側が罠である可能性が高いことです。具体的には、穴の少ないチーズの場合は1/3が罠ですが、穴の多いチーズの場合は2/3が罠なのです。
ですので、ダイスの目が低かった場合はあまり躊躇することなくカードを取れますが、大きかった場合は安全策を選んで捨て札にするか、1/3に賭けてチャレンジするかの選択になります。
ここで重要になるのが、ダイスの目と同じだけの穴の空いたチーズがなかった場合に、できることです。その場合は、場のカードのうち任意の1枚の表側をこっそり見ることができるのです。
また、自分や他のプレイヤーが獲得したカードの裏側が何だったかを覚えておくことも重要です。カードは、穴の数につき6枚ずつ用意されていますので、プレイヤーが獲得済みのカードを把握できれば、残りのカードがどれだけ安全なのかの予想がつきやすくなります。
だったら他のプレイヤーの動向を見つつ慎重にやっていけば勝てるかといいますと、そうともいいきれません。場のカードを取ることができるのは、ダイスを振った際に穴の数と同じ目を出したときだけですので、穴が多いカードを取りたくても運が悪いとそのチャンスさえ得られないかもしれません。ということを考えますと、たとえゲームの序盤で罠の可能性が高いとしても、6のカードを選べた場合は一か八かで挑戦したくなるわけです。
また、誰かが罠を3枚引いてしまった際にゲームが終了することもポイントです。自分が慎重にプレイしようとしても、誰かがどんどんチャレンジして罠をバンバン引き当ててしまうと、チーズを取る前にゲームが終わってしまうかもしれないのです。
というわけで、確率を考えつつ様子を見ながら確実に得点を稼いでいったり、罠を2回引くまでは大丈夫とどんどんチャレンジしていくなど、性格や状況によって進め方が分かれるゲームとなります。
また、後半に穴の多いチーズを取るチャンスがきますと、あと1枚罠を引き当てたら負けるとわかっていても、勝利するために確率の低い運試しにチャレンジしたくなるわけです。そういう場合はたいてい罠を引き当てるのですが、うまくいった場合は多いに盛り上がります。
本作品は、各プレイヤーが取っていったカードを覚えていくというカウンティングをできたほうが有利になりますが、運の要素が二重に関わってきますので、思わぬ展開になるところが面白いです。
自分の手番でどうするか悩むのは楽しいですし、他のプレイヤーの手番でも、カードを取ると決めて表向きにする際はドキドキできます。プレイ時間が公称15分と短いわりには適度に悩んで盛り上がれますので、さらっとゲームを遊びたい場合などに丁度よいでしょう。
●URL
チーズがいっぱい(日本語ルール翻訳元メビウス ゲームズのページ)
http://www.mobius-games.co.jp/Abacus/Alles_Kase.html
(橋本 崇史)