2人対2人でも遊べる陣取りボードゲーム『ナゲッツ』

　今回紹介するのはボードゲーム『ナゲッツ』。柵で囲うかチップを置くかの選択が悩ましい作品で、2人から4人で遊べます。

在りし日のRole&Roll Station横浜店のプレイルームにて

　ゲーム開始時に、得点の書かれたマーカーを指定通りボードに置き、柵をすべて一カ所にまとめ、各プレイヤーが自分の色のチップを規定数受け取ったら準備完了です。

チップはプレイヤー別にもつが、柵は全プレイヤー共通で使用する

　プレイヤーが手番でできることは2つ。手持ちのチップを裏向きにしてボードの空いているマスに1つ置くか、2本までの柵をマスの辺の上に置くかのどちらかです。

　このようにして、得点マーカーと自分のチップが同じエリアに入るように柵で囲っていきます。チップや柵の残りが無くなるか、もう何も置きたくない状態になったプレイヤーはゲームから抜けていき、すべてのプレイヤーが抜けたら終了です。

エリアをチップで埋まるようにしていく

　ゲーム終了時に各エリアに置かれたチップに書かれた数字を合計し、もっとも多かったプレイヤーがそのエリアの得点マーカーをすべて獲得します。最終的にもっとも多くの得点を稼いだプレイヤーの勝利です。

同点の場合は得点を等分する

　ポイントは、手番でできることがチップを置くか柵を置くかのどちらかだということです。たとえば高得点マーカーのそばにチップを置きますと、ほかのプレイヤーが得点マーカーとチップを離すように柵を置きますし、かといって柵でうまく囲もうとしますと先にいいところへほかのプレイヤーがチップを置いてしまいます。

　ですので、ほかのプレイヤーに自分の意図を察せられないようにしつつ、少しでも優位になるよう柵やチップの置き方にアタマを悩ませるわけです。

　さらに、柵やチップを置く際にポイントとなるのは、チップの数字は何種類かあることと、柵を置く場合にはルールがあることです。

　各自のチップは、合計参加者数によって内容は変わりますが、1から4もしくは5の数字が用意されています。ボードに置かれたチップは裏向きですので、他人が置いたチップの強さはわかりません。したがいまして、盤面の状況や対戦者の性格を考えつつ、どこにどのくらいのチップを置いたかを推測するわけです。

　その推測に失敗しますと、得点計算時に蓋を開けてみたらチップの枚数では勝っていたのに数字の合計では負けてしまったということになってしまうわけです。

　また、柵を置いてエリアを作る場合は、できるエリアの総マス数を最低でも4マスにしなければなりません。ですので、ますます自分のチップだけ有利な状態にすることは難しくなります。

　さらに特徴的なのは、4人で遊ぶ場合は2対2のチーム戦になることです。チーム戦の場合、同じチームのプレイヤーが連続して手番を行わないように進めていきます。かつ、得点計算時にチップの数字を合計する際はチームごとに合計します。

　チーム戦ですので相談しながら進めることができるのですが、相談は相手チームに内緒でしてはいけないところがポイントとなります。手番は各チーム交代で行いますので、下手に相談して手の内をばらすとあっさり妨害されてしまうわけです。

　結果、あまり相談することなく静かにゲームが進行していきますので、パートナーの手から何を狙っているかを推測してそれに応えたり、逆に応えてもらえるだろうかとドキドキしながら進めていくのが楽しいです。

　本ゲームは、運の要素が無いアブストラクト風の作品なので、上手い下手が勝敗に反映されやすくなっています。ですので1手1手にアタマを使うところが面白いのですが、好き嫌いがハッキリでる作品でもあります。ただ、アブストラクト風の作品としてはとても手軽に遊べますので、私のようにアブストラクトが苦手な人でも楽しめるでしょう。